展示室のご案内

闇夜に開く極彩色の芝居絵

絵金が極彩色の絵の具と圧倒的な筆の勢いで描いたのは六尺四方、二曲一隻の芝居絵屏風。その修羅を描いた芝居絵の世界は、蝋燭の灯に照らされ揺らめき、動き出さんばかりの迫力で見る者の心をわしづかみにしてしまいます。

絵金の芝居絵屏風は、闇の中にあってこそ圧倒的な存在感と異彩を放つと言われています。

「絵金蔵」では、須留田八幡宮神祭の夜に倣って、展示室を薄暗くし、芝居絵屏風をご覧頂けるようにしました。芝居絵屏風は2か月に1回展示替えを行っています。
聞こえてくるのは、赤岡海岸の波の音です。

年に一度の文化を守るための日常

まちに残っている23枚の芝居絵屏風は、今まで町内各区で保管されていました。
しかし、年に一度とはいえ商家の軒先に長年晒されてきた絵には傷みが見られるようになってきています。そこで、この赤岡の文化と芝居絵屏風を後世に残していくための収蔵庫としてつくられたのが「絵金蔵」です。

でも、やっぱり本物もご覧いただきたい…、壁に穴を開けて覗き見できるようにしました。
本物の芝居絵屏風を常時2枚ずつ公開し、月に一度展示替えを行います。

絵金生誕200年となる平成24年7月には新しい展示ケースを設置、絵金作品や祭礼文化の魅力をじっくり味わっていただける企画コーナーができました。こちらも随時展示替えを行い、多彩なラインナップでその魅力をご紹介してまいります。

今月の蔵の穴　

【播州皿屋敷　鉄山下屋敷】
（ばんしゅうさらやしき　てつざんしもやしき)
香南市赤岡町横町二区所蔵
作品の詳細はこちらをご覧ください。

【伊賀越道中双六　岡崎】
（いがこえどうちゅうすごろく　おかざき)
赤岡町本町門脇家所蔵
作品の詳細はこちらをご覧ください。

今月のコーナー展示

最新の「コーナー展示」については、TOPページをご覧になるか、《こちら》をご覧下さい。

絵金の生涯の謎を紐解く資料室

絵金の謎に包まれた生涯を数々のエピソードとともにたどっていく資料室では、御用絵師の職を解かれた絵金がこの町に辿り着き酒蔵をアトリエとして暮らした頃の赤岡の町をジオラマで再現しています。
俗悪にして絢爛といわれる極彩色の芝居絵屏風とはまったく異なる、狩野派時代の作品や軽妙なスケッチなども紹介。
謎の多い絵金の風貌がここから浮かび上がってきます。